
入れ歯
入れ歯
入れ歯は、さまざまな理由で歯を失った場合の治療方法です。残存歯がある場合は部分入れ歯、全ての歯がない場合は総入れ歯が適用されます。しかし、入れ歯には見た目や装着時の違和感、発話の問題が生じることがあります。これらの問題を避けるためには、お口の状態を正確に診断し、相談しながら適切な入れ歯を選択し、定期的なメンテナンスを受けることが重要です。
歯がなくなることによる影響はさまざまあります。
食べ物の摂取の難しさ:歯が不足すると、食べ物をうまく噛み切ることが難しくなり、食事を十分に処理できません。これにより、食べ物を飲み込む際に胃腸に過度な負担をかけることがあります。
歯の動き:歯が失われると、周囲の歯がそのスペースを埋めようと動くことがあります。これが進行すると、治療を行う際に問題を引き起こす可能性があります。
歯周病や虫歯のリスク:歯がなくなると、周りの歯が正しく咬まず、食物の残渣が残りやすくなります。これが歯周病や虫歯のリスクを高める要因となります。
歯ぎしりや食いしばり:かみ合わせが崩れると、歯ぎしりや食いしばりが強くなる可能性があります。これにより歯を削ったり、口腔内の筋肉に緊張をもたらしたりすることがあります。
体のバランスへの影響:口周りの筋肉と体の他の部分は連動しており、かみ合わせのバランスが崩れると体全体のバランスにも影響を与えることがあります。特に、首や肩、頭の痛みが生じることがあります。
これらの問題は、歯の健康を維持し、歯の欠損を適切に管理することによって軽減できる可能性があります。口腔健康を維持し、これらの影響を最小限に抑えるための適切な治療やケアを受けることが重要です。
保険診療の入れ歯は、費用を抑えられることが最大のメリットです。
デメリットは、見た目が不自然であったり装着時に違和感がある場合があることです。
レジン床義歯
歯科用のプラスチックであるレジンで入れ歯を作ります。保険診療のため治療費が安く、適用範囲は広くほとんどの症例に使用することが出来ます。デメリットは、入れ歯を支える金具が目立ってしまうこと、強度を確保するために土台の厚みがでることによって食事や話す際に違和感が出やすいです。
保険外診療の入れ歯は、費用は高額になりますが見た目が自然で装着時の違和感を少なくすることができます。
金属床入れ歯
金属で入れ歯を作ります。費用は比較的高額になりますが、金属アレルギーや体への影響は少なく、腐食や変色は起こりません。
ノンクラスプデンチャー
樹脂で作られており、薄く軽く弾力感があるため装着時の違和感が少ないことが特徴です。金属を使わないので金属アレルギーの心配はありません。
マグネットデンチャー
磁石を入れ歯と残った歯の両方に取り付けてます。磁石で吸着し合うため安定感に優れます。見た目は自然で、残った歯の根元を利用できるので装着時や食事での違和感が少ないです。
初回の診察で、患者様との面談が行われます。この時に、入れ歯に関するご不満やご希望、ライフスタイルについて詳しくお話しいただきます。また、過去の歯科治療歴や健康状態についても尋ねられます。
次に、口内検査が行われ、現在の歯の状態や歯茎の健康状態を評価します。必要に応じてX線や歯の印象を取ることもあります。
問診と口内検査の情報をもとに、治療計画が立案されます。この段階で、入れ歯の種類(部分入れ歯または完全入れ歯)、素材、色合い、形状などが患者様と共に検討されます。
もし歯周病や虫歯が見つかった場合、これらの問題を優先して治療します。入れ歯を装着する前に、口内の健康状態を最適な状態に戻すために必要な治療が行われます。
治療計画が確定し、口内の健康が確保されたら、入れ歯の製作が始まります。歯科技工士が患者様の口の型をもとに入れ歯を製作し、適切なフィットと快適さを確保します。
入れ歯が完成しましたら、患者様に試着いただき、適切なフィットと咬合を確認いたします。必要に応じて調整を行い、患者様の快適性を確保いたします。噛み合わせが正確であるかどうかは、入れ歯の快適性や機能において非常に重要です。違和感、痛み、噛むことの容易さなど、入れ歯の効果に大きな影響を及ぼす要素となります。
さらに、正確な噛み合わせは口腔内の状態だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼします。不適切な噛み合わせは、肩こりや頭痛などの症状を引き起こす可能性があり、全身の健康に悪影響を及ぼすことがあります。そのため、噛み合わせの調整は入れ歯を作成する際に非常に重要です。場合によっては、複数回にわたり噛み合わせのチェックと調整を行うことがあります。こうしたステップを通じて、患者様の入れ歯が快適で、口腔および全身の健康を守る役割を果たすことが目指されています。
入れ歯は、装着時と食事時で異なる挙動を示すことがあります。特に、新しい入れ歯は歯茎に適応するまでに時間がかかるため、日常の使用中に問題点を確認し、しっかり噛めるように調整する必要があります。これには、痛みを伴う箇所の特定と噛み合わせの調整が含まれます。この段階が、患者様にとって「痛みのない入れ歯」と「安定した入れ歯」を実現するために不可欠なステップです。
入れ歯の製作後も、患者様の口内健康を維持するためには、定期的な歯科検診が欠かせません。歯科医は入れ歯の状態を定期的にチェックし、必要に応じて調整や修理を行います。また、入れ歯の適切なお手入れ方法や注意事項についても詳細に説明され、入れ歯を長持ちさせ、口内の健康を保つための指導が行われます。
入れ歯治療の成功は、入れ歯を製作するだけでなく、その後の管理とケアにも依存しています。患者様と歯科医の協力により、入れ歯が快適で機能的であり、口腔内の健康が維持されることが確保されます。